慢性骨髄性白血病・慢性骨髄増殖性疾患|まんせいこつずいせいはっけつびょう・まんせいこつずいぞうしょくせいしっかん

慢性骨髄増殖性疾患とは

血液細胞(赤血球、白血球、血小板)は、骨の中にある骨髄という組織でつくられます。赤血球は全身に酸素を運び、白血球は病原体と戦い、血小板は出血を止める働きをします。通常は一定の数に保たれていますが、骨髄の働きが病的に盛んになって、赤血球、白血球、あるいは血小板が増加することがあり、これらの病気を総称して「骨髄増殖性疾患」と呼びます。

わが国における「慢性骨髄増殖性疾患」の発症頻度は明らかではありませんが、100万人あたり数人で、アメリカと同程度と考えられます。

慢性骨髄増殖性疾患には、1) 慢性骨髄性白血病、2) 真性多血症、3) 本態性血小板血症、ならびに4) 特発性骨髄線維症の病型があります。

白血球が異常に増殖する場合、他の項で詳細に述べるように急性型の白血病は分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)傾向に乏しく、増殖が速いです。それに対して慢性骨髄性白血病は、分化能(未熟な細胞が成熟した細胞になる力)を持ちつつ、ゆっくり増殖するという特徴があります。

真性多血症では赤血球が、本態性血小板血症では血小板数が、それぞれ著しく増加します。また、特発性骨髄線維症では、骨髄が線維状の組織に置き換えられて正常な造血能力が低下し、肝臓や脾臓(ひぞう:左上腹部にあり、血液中から古くなった血液細胞を除去する臓器)等、骨髄以外での造血(髄外造血)がみられます。WHOの分類では、慢性好中球性白血病と慢性好酸球性白血病/好酸球増多症候群と呼ばれる病型も、この範疇(はんちゅう)に含まれます。

通常、がん化した細胞は付加された染色体・遺伝子変化により、増殖する力(増殖能)が高まり、逆に分化する力が失われていきます。最近になって、真性多血症、本態性血小板血症、特発性骨髄線維症の病的な骨髄細胞において、JAK2という遺伝子の変異が報告され、これらの病気の発病のきっかけになっている可能性があると推察されています。

ここでは慢性骨髄性白血病と、その他の慢性骨髄増殖性疾患に分けて記します。

慢性骨髄性白血病

1.慢性骨髄性白血病とは

骨髄性白血病は、がん細胞が保持する分化能により、急性と慢性に分けられます。慢性骨髄性白血病は、フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)染色体という特異的な染色体異常を持ちます。Ph染色体は、9番染色体と22番染色体の転座によってできる異常な22番染色体です。正常な22番染色体より小さくなり、確かめることが比較的容易であったため、がんに特異的な染色体として最初に発見されました。Ph染色体を持たない慢性骨髄性白血病は、全く異なった疾患であり、他の慢性骨髄増殖疾患として扱われます。

白血球は通常、「芽球(がきゅう)」と呼ばれる未熟な細胞が骨髄中で分化し、成熟した白血球となって骨髄から末梢血に出ます。その際、数は一定に調節されています。急性骨髄性白血病では、がん化した芽球は正常な細胞のようには分化しないで、骨髄に芽球のままとどまるため、血液中の細胞は減少します。一方、慢性骨髄性白血病は正常細胞のように分化して限りなく殖えるため、血球数は増加します。

慢性骨髄性白血病が発症する原因は、解明されていません。すべての年齢層で発症しますが、中年以降に多くみられ、発症中央値は53歳です。男女比は1.3:1でやや男性に多く、わが国における頻度は10万人に1~2人と比較的まれで、成人における白血病全体の約20%を占めます。

 

2.症状

慢性骨髄性白血病は、慢性期、移行期、急性期(急性転化)に分けられます。慢性期の場合は無症状であるため、現在は健康診断で偶然に発見されることが多くなっています。急性白血病と異なり、初診時に貧血症状、感染症、出血傾向を合併することはまれです。白血球数は、発見された時期により差があります。病気の進行とともに、血液中の白血球数と血小板数は増えます。その後、骨髄の中ががん細胞でいっぱいになり、赤血球が圧迫されて減少するため、次第に貧血になります。白血球数が増加するに従って、全身の倦怠感(けんたいかん)や、脾臓が腫大(しゅだい)することによる腹部の膨満感などの症状が現れます。

 

3.診断

血液検査で白血球数が増加していた場合に、慢性骨髄性白血病が疑われます。まず、血液で増加している細胞を顕微鏡で調べます。好塩基球があり、正常に分化した顆粒球が増殖の中心であった場合、次に骨髄穿刺(こつずいせんし)という骨髄の検査を行います。骨髄穿刺は皮膚を消毒し、局所麻酔の後に胸骨(胸の中央にある骨)、または腸骨(腰の骨)に骨髄穿刺針という細い針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。この骨髄液中に含まれる細胞の形を顕微鏡で調べ、併せて染色体を用いたり、FISH(Fluorescence in situ Hybridization)と呼ばれる方法でBCR-ABL融合遺伝子の検査をします。Tリンパ球とBリンパ球の一部はPh(BCR-ABL)陰性ですので、末梢血で検査をするときには注意が必要です。染色体検査により、Ph染色体以外の付加的異常に関する情報も得られますが、結果が出るまでに時間がかかります。一方、FISH法は、BCR-ABL融合遺伝子を迅速に検出することができます。

診断後は、治療を受けるために必要な臓器に異常がないかどうかの検査を行います。脾臓の腫大の程度(予後因子の1つ)をみるために、腹部超音波(エコー)あるいは腹部CT(断層撮影)などの検査を行います?

 

4.病期

慢性骨髄性白血病はゆっくり進行する疾患ですが、その進行の程度により3つの病期に分けられます。

1)慢性期(Chronic Phase:CP)
白血球数は増加していますが、ほぼ正常に分化するため、芽球と呼ばれる未熟な白血球の割合は増加していません。無治療のままでは急性転化期に移行していきます。

2)移行期(Accelerated Phase:AP)
慢性期と急性転化期の間の病期です。Ph染色体(BCR-ABL融合遺伝子)に染色体・遺伝子異常が付加されると白血病細胞(がん細胞)の増殖能が高まり、分化能は失われ、骨髄や末梢血中における芽球の割合が増加します。その結果、治療による白血球数のコントロールが困難になり、脾臓の腫大が進行します。また、貧血、出血傾向、発熱が現れることもあります。また、明らかな移行期を経ないで急性転化期に移行する場合もあります。

3)急性転化期(Blast Crisis:BC)
骨髄、末梢血中の芽球が30%以上に増加します。芽球期、急性期とも呼ばれます。慢性期と同じような化学療法(抗がん剤治療)では白血球数のコントロールは困難で、白血病細胞が骨髄以外の場所、例えば骨やリンパ節に腫瘤(しゅりゅう)を形成することもあります。

通常、慢性期にはみられませんが、移行期や急性転化期には、脳や脊髄のまわりにある脳脊髄液や髄膜にも、白血病細胞が浸潤(しんじゅん:周囲に広がること)することがあります。

 

5.治療

重要な治療方針の決定に際しては、他の施設の医師にも意見を聞いてみることが大切です。他の施設の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くことは、納得のいく治療を受けるために必要なことです。

慢性骨髄性白血病の治療法は病期に基づいて計画されますが、「グリベック」という薬により、治療選択が大きく変化しました。この薬は、最近では高い臨床効果だけでなく、長期にわたる有効性と安全性が示されています(IRIS試験)。予後予測には、診断時治療前の検査成績に基づく「Sokalスコアー」と「Hasfordスコアー」が用いられています。

1)慢性期
成人では、イマチニブ(商品名:グリベック)(400mg/日)が第一選択薬です。
(1)グリベック
慢性骨髄性白血病の場合、Ph染色体は造血幹細胞で形成されます。9番染色体のABL遺伝子と22番染色体のBCR遺伝子が融合し、正常時には存在しないBcr-Abl融合蛋白(たんぱく)を産生します。グリベックはAbl蛋白に結合し、Bcr-Abl融合蛋白の機能を阻止することで抗白血病作用を発揮します。1日1回の内服薬で、主な副作用は投与初期の血球減少です。グリベックにより白血病細胞が減少しますが、これは正常細胞の回復が間に合わないために起こります。他に、筋肉の痙攣(けいれん)やまぶたのむくみ(浮腫(ふしゅ))があります。この薬剤を中止すると、Ph(BCR-ABL)陽性細胞がPCR法やTMA法(Amp-CML)と呼ばれる、より感度の高い検査方法により遺伝子レベルで検出されることが多く、完全に内服を中止することは困難です。病気がグリベックに耐性を持って薬が効かないと考えられる場合は、同種造血幹細胞移植が適応となります。

(2)インターフェロンα療法
インターフェロンαはもともと生体内に存在する物質で、さまざまな刺激によって分泌されます。毎日皮下注射することにより、白血病細胞が消失する場合があります。グリベックに耐性を持って薬が効かなくなり、何らかの理由で同種造血幹細胞移植も行えない場合に適応となります。インターフェロン単独より、Ara-Cとの併用により細胞遺伝学的寛解率が向上します。しかし、6ヵ月たっても通常の血液検査で反応がみられない場合や、1年たってもPh染色体を持った細胞が減少しない場合には、あまり有効性が期待できません。インターフェロンを造血幹細胞移植直前まで使用していると、移植の成績が悪くなる可能性があるという報告もあります。医師や看護師の指導のもとに、本人や家族による家庭での自己注射が認められています。副作用として、感冒様症状(発熱、悪寒(おかん)、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振等)がよくみられますが、就寝前に注射したり、消炎鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を事前に服用することなどにより副作用の症状を軽減でき、だんだん慣れてこれらの症状が現れにくくなります。まれに、肺線維症や抑うつ状態になることがあります。この場合には中止しなければいけません。周囲の方も注意する必要があります。

(3)化学療法(ハイドレアなど)
血液細胞の数を正常範囲に維持したり、腫大した脾臓を小さくする目的で、主に「ヒドロキシカルバミド(別名:ハイドロキシウレア、商品名:ハイドレア)」という抗がん剤を継続して内服します。これにより90%以上の患者さんで白血球数などが正常になりますが、多くは数年のうちに急性転化期に移行します。副作用には、難治性の皮膚潰瘍(ひふかいよう)があります。

(4)造血幹細胞移植療法
はじめに大量の化学療法、または化学療法と放射線療法の組み合わせによって、骨髄を中心とする体内の白血病細胞と正常な血液細胞を破壊します。次に、HLAが一致した骨髄提供者(ドナー)から正常な骨髄液を採取します。ドナーになる方は原則として兄弟または肉親ですが、血縁者にドナーになる方がいない場合、骨髄移植推進財団による「骨髄バンク」でドナーの方を探すこともできます。採取した正常な骨髄液を患者さんの静脈から輸血のように体内に入れ、破壊された造血幹細胞と入れ替えます。このようにして、やがてすべての血液細胞を正常な他人の血液細胞と入れ替える方法を、「同種骨髄移植」と呼びます。
白血球を増やす薬(顆粒球コロニー刺激因子:G-CSF)を数日間ドナーの方の皮下に注射すると、血液の源の細胞である造血幹細胞が、骨髄から全身の血管に流れ出てきます。この方法による移植が、「同種末梢血幹細胞移植」です。この方法では、全身麻酔による骨髄液採取は不要になるので、ドナーの方の負担が減る可能性があります。

臍帯血移植
さらに、臍の緒(へそのお)の中に存在する造血幹細胞を、骨髄の代わりに用いる「臍帯血移植(さいたいけついしょく)」があります。臍帯血バンクには、さまざまなHLA型に対応できるよう臍帯血が保管されています。
このように骨髄だけではなく、いくつかの方法で血液の源の細胞を確保できるようになったため、造血幹細胞移植療法を受ける機会が増えました。全身の状態が良好であれば、55歳くらいまでの患者さんが移植可能です。

骨髄非破壊的移植(ミニ移植)
一方、最近になり、免疫抑制作用の強い薬を用いることにより、必ずしも大量の抗がん剤や全身放射線照射をしなくても、患者さんとドナーの血液細胞を入れ替えることが可能になりました。これは「骨髄非破壊的移植(ミニ移植)」という方法で、60歳代の高齢者や、合併症のある患者さんにも移植が可能になります。しかし現時点では、この治療法による安全性と有効性は、まだ十分には確認されていません。

ドナーリンパ球輸注療法(DLIあるいはDLT)
造血幹細胞移植後に慢性骨髄性白血病が再発してしまった場合、成分献血とほぼ同様の方法で、同じドナーの方からリンパ球成分を採取します。これを患者さんに輸注すると、抗がん剤を用いなくても約80%の方を、また長期の寛解状態にすることが可能です。現在は、骨髄バンクを介した非血縁者から移植した場合でも、ドナーの方から再度リンパ球の提供が受けられる場合があります。ただし、移植片対宿主病(GVHD)を発症したり、血球が減ったりするなどの重大な合併症が出現することがあるので、慎重に行う必要があります。

2)移行期
上記のいずれの治療方法でも、治療成績は不良です。グリベックを600mg(~800mg)に増量しても、必ずしも十分な有効性は得られません。早期に細胞遺伝学的効果が得られれば、同種造血幹細胞移植により、治療成績の改善が期待されます。

ハイドレアはPh陽性細胞を減少させることはできませんので、白血球数のコントロールを図り、QOLの維持を目指す治療です。

3)急性転化期(BC)
上記いずれの治療法でも長期生存例はまれであり、新たな治療法の開発が必要です。化学療法は、急性白血病に類似した治療が行われます。ビンクリスチンとプレドニゾロンを含む多剤併用療法が選択される場合が多いのですが、どのような化学療法が最適であるかはわかっていません。治療により慢性期が得られた場合でも、効果の持続期間が短いので、治癒の可能性が残る同種造血幹細胞移植療法が考慮されます。

いずれにしても、急性転化期では病気を治癒させることは困難です。ハイドレアなどの抗がん剤を使用して血球数をコントロールすることで、QOLを維持しながら病気とつきあっていくことを目指した治療が現実的な対応の1つと考えられます。

その他の慢性骨髄増殖性疾患

 

1.症状

真性多血症では、赤血球が増加することによって赤ら顔になり、白血球中に含まれるヒスタミンにより、全身にかゆみが出る場合があります。多くの場合は自覚症状がなく、脾臓が大きくなっていることがあります。本態性血小板血症では、増加した血小板の機能が高められる場合と抑えられる場合があり、血栓症や出血症状がみられます。その結果、痛みや冷感を伴い、紫斑(しはん)が生じます。骨髄線維症では病気が進行すると貧血になり、脾臓が大きくなると腹部の張る症状が出てきます。このように慢性骨髄増殖性疾患では、症状が全くない時期に、健康診断や採血で見つかる場合があります。

 

2.診断

骨髄増殖性疾患は特に目立った症状がなく、健診などの血液検査の結果、発見されることがあります。

1)真性多血症
真性多血症では、主に赤血球が増加しています。赤ら顔で小太りの中年の方に多く、糖尿病や痛風を患っている患者さんでは、赤血球が見かけ上増加していることがあり、赤血球増加症と呼ばれています。赤血球増加症は、心臓疾患、肺疾患、腎疾患等によって生じることもあります。それぞれを区別するために、放射線同位元素や色素を使って循環赤血球量を測定したり、動脈の酸素濃度を調べたり、超音波検査で脾臓が腫れていないかどうかを調べます。真性多血症では多くの場合、白血球や血小板も増加しています。ビタミンB12や好中球アルカリホスファターゼスコアなども測定し、診断基準に従って診断します。赤血球系の代表的な造血ホルモンの1つであるエリスロポエチンは、真性多血症では低下しているため、エリスロポエチンを産生する腎がんや肝臓がんに合併する赤血球増加症との鑑別に役立ちます。

2)本態性血小板血症
本態性血小板血症は骨髄での血小板産生が盛んに行われ、血小板数が100万以上になることがあります。しかし、特徴的な検査所見はありませんので、慢性骨髄性白血病などの他の慢性骨髄増殖性疾患を除外し、また二次性の血小板増加症との鑑別が重要です。

3)特発性骨髄線維症
特発性骨髄線維症では軽度の白血球増加がみられ、血液像では通常は認められない、幼弱な白血球や赤芽球が出現しています。脾腫(ひしゅ)があり、涙滴赤血球(るいてきせっけっきゅう)などの変形した赤血球が見られます。骨髄穿刺をしても骨髄が採取されないことが多く、骨髄生検で線維化が確認されます。他の慢性骨髄増殖性疾患でも、病気が進行すると線維化が認められますので鑑別が必要です。

 

3.治療

慢性骨髄増殖性疾患の治癒は困難であるため、治療の目標は、検査値を正常に近づけて、通常の日常生活を送れるようにすることにあります。

1)真性多血症
真性多血症では、赤血球数の増加による血栓症に注意します。血を抜き取る瀉血(しゃけつ)によりヘマトクリット値を低下させますが、瀉血を繰り返すと鉄欠乏状態になることがあります。鉄欠乏状態になってもヘマトクリット値が十分に低下しないとき(45%以下)には、ハイドレアでコントロールします。

2)本態性血小板血症
本態性血小板血症では、血を固める作用のある血小板が増加するため、血栓症に注意することが重要です。血小板が集まって固まる作用を抑制する、少量のアスピリンを内服します。緊急に血小板数を下げるには、成分採血により血小板除去を行うこともあります。血小板数と、出血や血栓症などの合併症との間には明らかな関係は認められていませんが、血小板数を60万以下にコントロールすることによって、血栓症を減らすことができたという報告があります。

3)特発性骨髄線維症
特発性骨髄線維症は、症状が全くなく、検査値も基準値に近い場合は、特に治療をする必要はありません。貧血が進行するようになった場合は輸血で血液を補い、造血を促進するとされるタンパク同化ホルモン剤を投与する場合があります。副腎皮質ステロイドホルモンを使用することもあります。脾臓が非常に大きな場合は、手術で摘出することがあります。

 

4.病期

慢性骨髄性白血病以外では、病期に分けません。真性多血症と本態性血小板血症では、病状が長く経過すると赤血球、白血球、血小板のすべてが減少し、骨髄も線維化してしまいます。このような病状を「消耗期」と呼ぶことがあります。

 

5.合併症

真性多血症では、血栓症や心不全が生じる場合があります。本態性血小板血症は、60歳以上の患者さんや、過去に脳梗塞、心筋梗塞等の病気にかかったことのある場合には、血栓症に注意します。特発性骨髄線維症では、血小板が減少すると出血症状が現れることがあります。このような場合には血小板輸血が必要になります。

 

6.予後

慢性骨髄増殖性疾患では、治療前で検査値の異常が著しい時期に合併症を起こしやすいのですが、治療を開始して赤血球、白血球、血小板等の検査値が安定してくると、全く症状がなくなり、通常の日常生活を送ることができます。

慢性骨髄増殖性疾患の経過は比較的ゆっくりです。半分の方が亡くなる生存中央値と呼ばれる期間は、慢性骨髄増殖性疾患以外の病気で亡くなる患者さんも含めて、真性多血症で10年、本態性血小板血症で5年以上、骨髄線維症で3~4年といわれています。しかし、まれに急性白血病に移行していくことがあります。

 

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