子宮頸がん|しきゅうけいがん

1.子宮について

子宮は全体として中が空洞の西洋梨の形をしています。球形に近い形の体部は胎児の宿る部分であり、下方に続く部分は細長く、その先は腟へと突出しています。この部分が頸部で、腟の方から見ると奥の突き当たりに頸部の一部が見えます。その中央には子宮の内腔に続く入り口があり、この入り口を外子宮口(がいしきゅうこう)と呼んでいます。

 

2.子宮頸がんとは

子宮頸がんは、「子宮頚がん」と表記されることもあります。

婦人科のがんで最も多い子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれ、胎児を育てる子宮体部の内側にある子宮内膜から発生します。

一方、子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、普通の婦人科の診察で観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんです。一方、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要といえます。

 

3.子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)

子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)の感染が関連しています。HPVは、性交渉で感染することが知られているウイルスです。子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られています。HPV感染そのものはまれではなく、感染しても、多くの場合、症状のないうちにHPVが排除されると考えられています。HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。また喫煙も、子宮頸がんの危険因子であることがわかっています。

HPVには複数の型がありますが、最近、一部の型のHPV感染を予防できるワクチンが使用可能になっています。子宮頸がん予防ワクチンについては、「子宮頸がんの予防(ヒトパピローマウイルスと予防ワクチン)」をご覧ください。たとえ、ワクチン接種を受けた場合であっても、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。子宮頸がんの検診については、「子宮がん検診の勧め」をご参照ください。

 

4.症状

子宮頸がんは、異形成(いけいせい)という前がん状態を経てがん化することが知られており、がん細胞に進行する前に、正常でない細胞(異型細胞というがん細胞になる前の細胞)の状態を細胞診という検査で見つけることができます。つまり、無症状の時から婦人科の診察や集団検診などで早めに発見することが可能です。

初期の子宮頸がんは、全く症状がないのが普通です。特に症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回子宮がんの検診を受けることが勧められています。詳しくは、「子宮がん検診の勧め」をご覧ください。

生理でないときや性行為の際に出血したり、普段と違うおりものが増える、生理の量が増えたり長引くなど気に掛かる症状があるときは、ためらわずに早めに受診することが早期発見につながります。早期に発見すれば、子宮頸がんは比較的予後のよいがんです。

 

5.疫学・統計

子宮がんにかかる人は、全体として年間約19,000人で、このうち子宮頸がんが約8,900人、子宮体がんが約9,100人、どの部位か情報がない子宮がんが約1,000人となっています(「全国がん罹患モニタリング集計(医療関係者の方へ)」-2007年罹患数・率報告 上皮内がんを除く)。また、子宮がんで亡くなる方は、全体として年間約6,100人、このうち子宮頸がんが約2,700人、子宮体がんが約2,000人、どの部位か情報がない子宮がんが約1,300人となっています(「集計表のダウンロード(医療関係者の方へ)」-人口動態統計2011年)。

年齢別にみた子宮頸がんの罹患(りかん)率は、20歳代後半から40歳代前半まで増加し、70歳ころ再び増加します。近年、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあります。罹患率の国際比較では、子宮頸がんが途上国で高いのに対し、子宮体がんは欧米先進国で高い傾向にあります。

 

6.子宮頸がん検診

子宮頸がん検診は、科学的な方法により、がん検診として効果があると評価されており、検診の実施により死亡率が減少することが明らかになっています。

20歳以上の女性は、2年に1回、細胞診による子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。

>>更に詳細をご覧になりたい方は国立がん研究センターがん情報対策センターが運営するがん情報サービスをご覧ください。

 

がん情報サービス

http://ganjoho.jp/